デジタル教科書はどれくらい使われているでしょうか?(文部科学省の調査から)

一人1台の情報端末が配備されている小学校・中学校で、いまどれくらいデジタル教科書は使われているでしょうか。「うちの学校では英語で使っている」「うちの市では先生は使っているけど子どもたちは使っていない」など、自治体によって状況はさまざまなのではないでしょうか。

文部科学省が公表している令和4年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果を見てみると、さまざまな教育の情報化の実態を示す調査項目のなかにデジタル教科書に関する項目があります。デジタル教科書に関連する調査項目にフォーカスを当ててみましょう。

PDFで公開されている「令和4年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)【確定値】」のなかに、「指導者用・学習者用デジタル教科書整備率」のグラフが掲載されています。
デジタル教科書は、先生が大型モニターやスクリーンに提示しながら授業をするために使う「指導者用デジタル教科書」と、児童生徒が自分の情報端末でページを開いて使う「学習者用デジタル教科書」があります。
指導者用デジタル教科書は少しずつ整備率が上がってきていますが、学習者用デジタル教科書は令和5年3月にぐっと上がっている様子がわかります。

都道府県別に、指導者用デジタル教科書整備率と学習者用デジタル教科書整備率も見ることができます。指導者用デジタル教科書の整備率、平均値は87.4%です。

学習者用デジタル教科書の整備率は、前年度の36.1%から大きく増えて87.9%になっていることがわかります。

ただ、先生方の実感としては、「デジタル教科書、そんなに整備されていて使われている?」という疑問がわくのではないでしょうか。グラフの下に但し書きで「教科や学年を問わず1種類でも学習者用デジタル教科書を使用していれば、整備していることとする」と書いてあります。
整備はされていることがほとんどだと思いますので、実は教育委員会に問い合わせてみると、「学習者用デジタル教科書、使えますよ」と言われるかもしれません。

先生方の学校にもし指導者用デジタル教科書と学習者用デジタル教科書があるならば、ちょっと使ってみてもらいたいと思います。最初から授業に使うのはハードルが高ければ、放課後の教室でちょっと使ってみたり、昼休みなどに子どもたちと一緒に使ってみたりから始めてもいいのではないでしょうか。操作方法は、子どもたちの方がいろいろと探求してくれるかもしれません。
授業で使うときには、最初は指導者用デジタル教科書を教室のモニターに映して、デジタル教科書ならではの機能やコンテンツなどを使ってみるといいと思います。
そして、子どもたちが先生が使う指導者用デジタル教科書の機能に慣れてきたら、「学習者用デジタル教科書もあるので使ってみる?」とチャレンジしてもらってもいいかもしれません。

実際にどんなふうに授業で使われているのかを事例として紹介するために、このEduHubサイトのコラムで授業レポートを公開しています。「授業レポート」というタグをクリックすると一覧を見ることができますので、ぜひチェックしていただきたいと思います。これから教科も単元も、デジタル教科書で使う機能も、バラエティ豊かになるようにしていきたいと思います。

【レポート執筆】
フューチャーインスティテュート株式会社 / 教育ICTリサーチ 為田裕行